公証役場で遺言をつくる〜その現場

小平市の相続コンサルタント、司法書士の手塚宏樹です。

相続のご相談のなかでも、「遺言」はかなりのウエイトを占めます。遺言の種類は、民法に明確に定められていて、いくつも種類がありますが、実際には、公証役場で作成するか、自分で(自筆で)書くか、のどちらかがほとんどです。

自分で書く、だと思い立ったそのときに書くことができるし、費用もかかりません(自分が亡くなったあとに、費用は発生しますが。家庭裁判所に提出したり、相続人はけっこう面倒です)。

自筆で書く遺言は、専門家のチェックを経ないことが多いので、その内容に不備のあることが多いです。これを書いている今日も、ご相談で見せていただいた遺言が、「うーーーーん」と頭を悩ませてしまうような書き方でした。誰に相続させたいかは明記してありましたが、書き方に問題があり、おそらく金融機関は受け付けてくれないのではないかと思います。

その点、公証役場で作成する「公正証書遺言」ならば、我々司法書士などの専門家や公証人のチェックが入ります。しかし、「◯◯士」とか「公証人」とかいっても、人それぞれで、公正証書遺言だからといって完璧である保証はありません。遺言に土地や建物を記載するときは、最新の登記簿謄本でその内容を確認する必要がありますが、それを怠り、あとあと法務局で登記手続きができなかった、なんてこともあります。記載の不備で、銀行口座の解約ができない、ということもあります。

慣れているプロに頼むほかないですね。法律がどうこう、というより、銀行や法務局など、遺言を受け付ける機関がどういう対応をするか、を知っていないといけないのです。

で、公証役場で遺言を作成する場合、どのような流れになるのか、をご説明します。

まず、私のところにご相談に来られて、財産の内容を確認し、誰にどのくらいずつ相続させたいのか、を聞き取ります。あるいは、アドバイスを差し上げて決定してもらう。

それと並行して、戸籍謄本や登記簿謄本などの必要書類の収集を行います。その後、決定した遺言の内容を、公証役場に伝え(私が作成した案文を送付)、集めた資料を送ります。この、案文を作成する、というところと、最初の聞き取りとアドバイス、が最大のポイントです。コンサルタントの能力の差が、如実に現れるところでしょう。

あとは、予約した日に、遺言者ご本人と、私ともう一人の証人(事務所のスタッフ)の合計3人で公証役場に向かいます。遺言者ご本人のご家族がいらっしゃることも多いですね。

みなさん、待ち合わせ時間より20〜30分くらい早く来られます。時間に遅れてきた方は今まで記憶にありません。緊張されるみたいです。

公証役場で何をやるかというと、

1.予約の時間が来たら奥のテーブルに通される。遺言者ご本人、私、もう一人の証人、そして公証人の4名。ご家族は入れません。

2.公証人が、遺言者ご本人に、氏名や生年月日を聞き、本人確認をします。

3.公証人が遺言書の内容を一字一句読み上げます。本当に「一字一句」なので、10分以上読みっぱなし、ということもあります。

4.「この内容で問題ないですね?」と、公証人から遺言書ご本人に確認があり、「間違いありません」と答えると、ここで一安心。

「大丈夫だと思います」とか、「ぜんぶ任せてありますので」とか曖昧な答えをされると、公証人も困ってしまいます。

5.遺言書に、署名・押印をします(実印で)。証人2名も同様にします

6.遺言書の原本は、公証役場に保存されます。ご本人が亡くなったあと25年後まで保存されるとのことです。それとは別に、写しを2部もらえます。これはご本人が持ち帰ることができます。

7.公証役場に費用を払って、すべて完了です。ここまででだいたい30分くらいです。

ご依頼者にとっては、公証役場に行く日そのものが一大イベントだと思いますが、私にとっては(もちろん当日も大事ですが)、それまでの過程でいろいろと頭を使います。

毎日の業務日誌です
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中