ナイショで愛人にマンションをあげることはできるのか?

小平市の相続コンサルタント、司法書士の手塚宏樹です。

まあ、こういうご依頼というかご相談というか、がどれだけあるのかわかりませんが、潜在的にはけっこうなニーズがあるのではないかと推察するのであります。

いま、愛人をマンションに住まわせている。しかしその名義は自分である。とりあえず今のところは何も問題はないけれども、自分が死んでしまったあとはどうなるのだろう。自分の財産だから、家族が相続することになるのか。すると愛人はそのまま住めなくなってしまう。はて困った。

「じゃあ、遺言に書いておけばいいよね!?」(って、こんな軽い口調ではない気もするけど)

遺言も万能ではない。公正証書遺言っていうと、公証役場に行かなければいけない。こっそりやるには不向きかもしれない。さらに、公正証書遺言だと、コンピュータですべて管理されてしまうので、自分の死後、家族が検索をかけるかもしれない。そうすると愛人の存在が白日の下にさらされてしまうのである。

ならば、自筆証書遺言にしようか。これならば、書斎にこもって、つらつらと書くだけで完成する。しかし、これもまた問題をはらんでおり、自分の死後、自筆の遺言は、家庭裁判所に持ち込んで検認(ちゃんと様式にしたがって書かれているかというチェック)を受けなければならない。この検認を申し立てるにあたっては、遺言者の戸籍謄本をとる必要がある。愛人がとれるのだろうか?戸籍謄本がなんとかなったとしても、さらなる関門が待ち構えている。この検認手続き、法定相続人の全員に通知がいくのである。「遺言書を開封するから裁判所に来てください!」なんていう通知がきた家族はビックリ。やはり愛人の存在が白日の下、の可能性大なのである。

ほかにも、相続税の申告をどうするんだとか、自分が認知症になったら財産を洗いざらい調べられるんではないかとか、もろもろの問題点がある。

じゃあどうするのか。という問いには、いくつかの解答があるのだろうけれど、どれが正解なのかはケースバイケースとしか言えないだろう。

一つの答えとしては、「いま、あげちゃう」ということか。たんに「あげちゃう」だけだと贈与税とかで大変なことになるので、ちょっと工夫する必要があるが、遺言よりはバレる可能性がだいぶ低くなると思う。

お知り合いで、こういった問題でお困りの方がいれば、ぜひご連絡を。

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遺言執行者の決め方を間違うと手続きができなくなる?

小平市の司法書士、手塚宏樹です。

遺言書をつくるのは、「子どもに財産を相続させたい」とか、「お世話になったあの人に財産をあげたい」という場合だと思います。◯◯さんに、どの財産をどのくらい相続させる(あげる)、と書けばいいわけです。後者は、正確には、「遺贈する」といいます。

遺言には、そういった「財産をどう振り分けるか」という内容を書く部分のほかにも、いろいろなことを記載できます。その一つが、「遺言執行者」の定め。

遺言執行者とは、その遺言の内容を実現する者です。具体的には、遺言を書いた人が亡くなったあとに、その内容に従って銀行口座を解約したり、不動産の名義変更の登記をしたり、という手続きをすることになります。(遺言というのは、亡くなったあとの手続きに使うためのものですので、銀行や法務局などが受け付けてくれない遺言書だと、せっかく作っても意味がないことになってしまいます。だから、専門家の目を通らない「自筆証書遺言」というのはなかなか難しいのです)

で、その遺言執行者を誰にしたらいいのか、という問題が出てくるのですが、親族の方がなるか、または我々司法書士のような専門家がなる、のいずれかがほとんどだと思います。

親族の方がなるときは、実際に、遺言書のなかで財産をもらうこととされている人自身がなればそれでOkです。では専門家がなる場合はどうでしょうか。

最近、このようなご相談がありました。ある方が亡くなり、その方は十数年前に遺言をつくられていました。配偶者の方にすべての財産を相続させる、という内容です。亡くなった方には、子どもがいなかったため、法定相続人は、配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹です。遺言がなければ、法定相続人全員で遺産分割協議をして、その協議書に署名押印、さらには全員の印鑑証明書を添付する必要があります。が、今回は遺言があったので、そのような手間は不要です。

しかしここで遺言執行者が問題となりました。遺言執行者には、十数年前、遺言の作成に立ち会った士業の方の名前がありました。本来ですと、その士業の方に、遺言執行を依頼して、銀行口座の解約などを代行してもらうことになります。が、当然費用もかかります。

ご相談者は、自分で銀行に行って手続きをするから、執行者には頼みたくないと言います。銀行に確認したところ、A銀行は、「執行者が辞任した旨の書面(執行者自身が記名押印)」があれば、配偶者の方が手続きをできるということでしたが、B銀行はそのような手続きは認めておらず、「必ず遺言執行者が、遺言執行の手続きをしなければならない。もし配偶者の方が自分でするのであれば、家庭裁判所で執行者が辞任したことが認められた旨の書類を提出せよ」と言いました。

このケースは、私はご相談を受けただけでしたので、配偶者の方が最終的にどのようにされたのかはわかりませんが、おそらく、執行者の方に報酬を支払って遺言執行をしてもらったのではないでしょうか。はじめから遺言を書くときに、遺言執行者を配偶者の方にしておけば、そのようなことにはならなかったはずです。執行者を専門家にしておけば安心という面はありますが、遺言の内容によっては必ずしもその必要はないのかもしれないな、と思わされた事案でした。

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公益財団法人の主たる事務所移転

小平市の司法書士、手塚宏樹です。

仕事の多くは、相続案件なのですが、会社の登記や不動産登記もお話があればお受けしています。つい先日、士業法人の登記をやったなと思っていたら、今度は公益財団法人です。一般社団法人ならば、設立や役員変更など、それほど珍しくはありませんが、財団法人は数が少ないと思います。ましてや公益財団法人となると。

ご担当者の方にご来所いただき、お話を伺いましたが、公益になるのがまず大変だが、認定を受けたあとも大変だ、とおっしゃっていました。

ご依頼いただいたのは、法務局の管轄が変わる「主たる事務所移転」の登記。最初、お電話で概要をヒアリングしたときには、「許可がいるのかな?」ということが気になりましたが、よくよく調べると、結論としては不要、なのですね。ただし、事後的に届け出は必要とのこと。

そうすると、株式会社などとそれほど大きく変わるところもありません。が、役員欄を見る と、任期が切れている役員の方が数名いて、これも合わせて重任の登記しないといけません。

ふだんあまりやらないような登記だと、久しぶりに条文に当たったりして、なかなか面白いです。

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士業法人の社員が代表社員となる場合の登記記載例

仕事の話です。

懇意にしている士業の方から依頼があり、士業法人の役員変更登記をお受けしました。

 

現在の登記簿は、下記のとおりです。

住所 ◯◯◯◯

社員 A

住所 ◯◯◯◯

代表社員 B (Bは辞任しており、下線が引かれ抹消されています)

 

で、このたび、新たにCさんが社員として加入し、Aさんが代表社員となる場合の登記すべき事項がこのようになります。

 

「役員に関する事項」
「資格」社員
「住所」◯◯◯◯
「氏名」C
「原因年月日」平成◯◯年◯月◯日加入

 

「役員に関する事項」
「資格」社員
「住所」◯◯◯◯
「氏名」A
「原因年月日」平成◯◯年◯月◯日資格変更

 

今度、やることがあるのかないのか分かりませんが、誰かのお役に立てば幸いです。

 

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株主リスト。

会社の登記の添付書面に、あらたに「株主リスト」というのが加わった。まあ、「株主名簿」のようなものである。
しかし、今まで司法書士は株主の人数だけを気にしていればよかったのだけど、その内容まで確認し、書面にしなければならないとは。

 

手間は増える一方である。が、業界の相場としては、値下がりしていると思う。そんな金額でよくやってられるな、という事務所も多い。

 

それと、「株主リスト」については、その名前が気に入らない。登記の申請書に、カタカナは似合わないように思うのは僕だけだろうか。「リスト」ねえ。